2016年5月20日金曜日

ロッキーマウンテンと後輩ODA

【3/11 FRI】


心地よい筋肉痛と

不快な関節痛で目を覚ます


昨日のセッションのおかげで体はバキバキだ


体をほぐした後、車へ乗り込む

再びロードトリップの始まりだ


と言っても今日の目的地はバンフ

ロッキーマウンテンの山あいにある街だ


すでにロッキーマウンテンの端にいるので、目的地までは遠くない

過去に何往復もした道を思い出に浸りながら運転する

すぐに急峻で凛々しい山並みが姿を現わす

ロッキーへの道


日本の山々は火山活動によるものが多いので、膨れ上がったお椀型が多い

その上に植物や森がかぶさり、とても優しく美しい形をしている


対してロッキーの山々は地殻変動による造山運動に起因するので、岩盤が歪み露出した形が多い

そのうえ植生がない環境にあるので、岩がゴツゴツした荒く逞しい形となる



この荒々しい山並みこそが、カナディアンロッキーをここまで有名にした魅力だ

そしてバンフという街はその中心に位置し、街にいながらこの山並みに住みこめる素晴らしい環境を提供してくれている


冒険やサバイバルはできないが、でも荘厳な自然に触れたいという人にはもってこいの街なのである

そんなカナディアンロッキーとバンフの魅力は、こちらのTabippoの記事にて執筆させて頂いてるので、ぜひ一読願いたい



コーナーを抜けるたび荒々しい山並みがかわるがわる登場し、次第にバンフが近づいてくる

時間に余裕があったので、レイク・ルイーズに立ち寄ってからバンフへ向かうことにした

このレイクは世界的に有名な景勝地であり、フェアモントホテルがその目の前に大きく聳える

夏には森に囲まれエメラルドグリーンの水を湛えた湖が姿を現わす

天使が羽ばたくように見える大きな氷河が湖の奥にせり出し、それはそれは美しい景色となる



今は氷に覆われているものの、それでも氷河や森、そして山並みが綺麗だ

氷の上を歩くのも楽しい

僕は妻を氷の上に誘い出し、氷河に向かって歩き始めた



この日は春のような日差しが降り注ぎ、ピクニックにはもってこいだ

ピクニックが氷の上とは、不思議な感覚である


レイクルイーズを歩く




振り返ると湖岸のホテルが小さく見えるほど歩いた

そのあたりで前に歩いていた足跡がみな大きく右折しているのが見える

なんの気もなく足跡に従うと


ん?

急に足がぬかるむ

気がついた瞬間、僕の右足に冷たい水が入り込んだ

そしてそのまま足をとられる


氷が融け始めているのだ

右折した足跡は、融けたぬかるみを避けるように岸へ向かって蛇行を始めていたのだった


ぬかるみにハマる





引き返すのも面倒だったので蛇行した足跡に着いていく

なるべく濡れないように、氷を割らないように、そうっと歩いていたが、ついには膝まで沈んだ

その時妻が心配になり、とっさに顔を上げる


すると妻は靴の濡れを気にするどころか開き直った様子で、ぬかるみをすでに走り抜けていた

彼女の要領の良さには感服だ



二人ともシアトルのアウトレットで買ったばかりのトッレッキングシューズだった

図らずも現場で新しい靴の防水テストをすることとなった

残念ながら、あまりの水量にどちらのシューズも浸水し失格だが・・・

救いは湖が綺麗なので、テストした水が澄んでいたというとこだろうか


氷水で足が冷えてしまったので、そのまま暗黙の合意でバンフへ向かった


走行距離435km
32日間累計走行距離10882km




【3/12  SAT】


早起きしてバンフのバスディーポへ向かう

このバスディーポは過去にカナダを旅する上で散々立ち寄った場所だ

ただ今日は思い出に浸りに来たのではない

バンクーバーに滞在している、先出の後輩ODAを迎えに来たのだ



ついに僕はこの謎に頑固な後輩の召喚に成功した

留学しているのにインドアな後輩をバンフまで来るよう説得したのだ

ただ彼の英語はたどたどしく、経験もまだまだ乏しいので、バンフ旅行はなかなかスリリングな体験だったに違いない



朝食のお裾分けをしてお腹を満たしてから早速出かける

僕が可愛がっているこの後輩、変わり者だがなかなか感性が豊かだ

僕が連れていく絶景に異常なまでに反応し興奮する

アテンドする身としてはそのリアクションが気持ちいい

そして異常なまでに写真を撮る


昔の自分も端から見ればこうだったのかも知れないなと思いつつ見守る

問題があるとすれば一向に撮影が終わる気配がないところだ

景色が変わるたび連写、そしてしばらくして僕の制止、からの移動、というルーティーンとなった


撮影ラッシュの後輩



バンフ周辺には街からの徒歩圏内にも絶景ポイントがかなりある

この日はバンフの周辺ポイントを3人で散策し、絶景と野生動物を眺めてホステルへ帰った


絶景を楽しむ




絶景を収める






郊外でオオカミの一種コヨーテと出くわす



住宅地でエルクとも出くわす




3人で泊まれる部屋を取り、そしてここまで来てくれたお礼に無償で泊める

そして食事代も


ホステルにはキッチンが完備されているので、初ひとり暮らし中のODAに料理のイロハを教えながら調理する




彼と知り合ったきっかけは、僕の前職

少し硬い表現だが、彼は学生バイトとして僕の直属の部下だった

つまり、仕事の考え方から一般常識まで、自分の知る限りを教えてきた可愛い後輩の一人だ


他の後輩と比べて、教えてもあまり話を聞かないが、それは昔から

だがODAは自炊も英語もできず困っているので放っておけない

逆に自分が気になる事はどんな些細でも徹底して追求してくるところも昔から

バカ真面目に教えを遂行するところも昔から

そしてお礼と義理を尽くすところも昔から


不器用だが、全て含めて彼の魅力である

彼に限らず、僕は魅力あふれる後輩に恵まれている




【3/13  SUN】


朝から緊張しながらハンドルを握っていた

実は想定外の雪が降ったのだ

路面は綿のように白い雪に覆われている

気温が低いため、車が走れば吹き飛ぶほどの軽い雪だが、ハイウェイでは油断はできない


この日はカナディアンロッキー最深部であるバンフ国立公園、ジャスパー国立公園、そしてグレイシャー国立公園からなる世界遺産認定の山並みを妻とODAに見せるつもりだった

そのために朝からハイウェイを走っていたのだ


国立公園に入るなり標高が上がり、雪の量もます

バンフの街ではすでに晴れ間も覗いていたが、山あいはまだ降り続けている

対向車とすれ違うたび、巻き上がる雪煙で前が見えないほど路面は悪い

愛車のVOLVOはパワーはあれど四駆ではないので、麓で購入しておいたチェーンを巻こうか迷い続けながら運転する



低速で2時間ほど走っただろうか

ジャスパー国立公園に入った途端に雲が切れ、大きな氷河が現れた

コロンビア大氷原だ


ジャスパー側よりコロンビア大氷原を望む



ここは北米で一番大きな氷河として有名だ(正確には諸説あり)

その大きさは見渡すかぎりでは収まらない


そんな大きな氷河も、実は縮小し続けている

30年前はハイウェイまであった氷河の末端が、今では道から15分ほど歩かないとたどり着けない位置まで後退している


温暖化と一言で片付けるのも難だが、しかし確実に環境は悪化している

これを自然の警鐘ととるか、地球の循環バイオリズムの一部ととるか見解は様々だろうが、しかし我々人間が大自然にとっての一番の脅威であることは間違いない


温暖化と森林伐採などの環境破壊の当事者は、先進国に住む我々である

環境破壊は、我々とは遠縁の途上国や未開の地を蝕んでいることが多く、無関心になりがちだが、しかし我々が環境破壊の元凶たる以上は、よりその現実に注視し、積極的に改善に向けたアクションを起こす義務がある



生意気を承知で申し上げますが、こうした現状を伝えるのも一つの義務だと信じ、あえて記載させていただきます

道中で出会う動物たちのためにも、この美しい自然を残したいと願っております

グレイシャー国立公園を歩くドールシープ





走行距離645km
34日間累計走行距離11527km



【3/14  MON】


朝から街のスキーレンタルショップへ駆け込む

雪を見たODAのスキー欲が刺激されたのだ

彼をスキーヤーへと導いたのは、紛れもない僕である

僕のスキー話を聞いて、降り続ける雪を見て、欲求が起こらないはずがない


ゲレンデスキーも考えたが、せっかくロッキーにいるのだし、バックカントリーを滑ることにした

そして同伴はしたものの自力でギアをレンタルし、山へ向かった

普段ならポイントを探しながらドライブするが、実はこの日の午後、ODAはバンクーバー帰りのバスを予約していた

時間に限りがあるため事前に調査してポイントを決めておく必要があった


車で1時間ほど走り、目的地と思われるポイントに到着

車がすでに2台ほど停まっている


急いで準備し、スキーでの歩き方を教えながら山に入る



準備万端でニヤける




昨日のパウダーに今朝また少し雪が乗り、そのまま陽が射していないので雪が結晶のまま残り軽い
コンディションは最高だ

歩いているだけでODAの目は輝きだした

3人でハイク




聞くとこれが彼の今シーズン初滑りだという

なんだか肩透かしを食らったが、しかしなんとも贅沢な初滑りである

針葉樹林を3人でヨジヨジ登り、滑り出す

ツリーと倒木がやや滑りにくいが、それでもパウダーが舞い、なんとも言えない心地よさだ
嫁のツリーラン



TKY



手ぶらで来たODAにはたいていの装備は貸したが、しかしパンツのアウターだけはスペアを持っていなかったため、彼はスウェットで滑っていた

色々不慣れで転んでばかり

下半身雪まみれだったが、しかし楽しんでくれたようだ



スウェットのODA




満足そうな笑顔で、しかし寂しそうにしながらODAはバンクーバーへと向かうバスに乗り込んだ

日本から遠く離れた大陸で後輩と遊べたことに不思議な縁を感じながら見送った

最後には野生のムースも見送りに来てくれた

1年後、彼がどれだけ成長しているのか

再会が楽しみだ
ODAを乗せたバスが発つ寂しい瞬間



少し昼寝し、レベルストークのモーテルで知り合った2人と夕飯に出かける

生まれも育ちもオーストラリアのアキラくんと、東京出身のスノーボーダーよしこちゃん

ワーホリ先のバンフで知り合い付き合ったそうだが、とても仲が良い

お互いのこと、オーストラリアのこと、日本の共通のライダー仲間のことなど、日本の居酒屋を懐かしみながら話した

アキラくんは、旅でしか日本を訪ねたことがないらしく、日本に対するイメージが独特で話してて楽しかった

とても楽しい夜だった

アキラくん よしこちゃん
Nice to see you n keep in touch


走行距離130km
35日間累計走行距離11657km





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